ひとことで言うと
Glue Data Catalogは70以上のデータソースを横断する中央メタデータ目録、Glue Data Qualityはその上でデータの健全性をルールで検査する仕組みです。
要するに、図書館の目録係と検品係です。Data Catalogが「どの棚に何があるか」を記録し、Data Qualityが「その本のページが欠けていないか」を確認します。RAGコーパスに欠陥のある文書が混じるのを防ぐのは検品係の仕事です。
なぜ生まれたか
| 自前でやると出てくる作業 | Glue側の受け皿 |
|---|---|
| S3上の生データのスキーマを毎回手で確認する | クローラがスキーマを自動推論しCatalogへ記録 |
| どのデータセットが信頼できるか目視で判断する | Data Quality Definition Language(DQDL)でルール化しスコア化 |
| 品質が落ちたデータを後から探す | 失敗レコードを特定・隔離(ETLジョブ側で対応) |
何に使うか
| 用途 | 使い方 | 関連ドメイン |
|---|---|---|
| RAG取り込み前の文書品質検査 | Glue ETLジョブでDQDLルールを評価し、悪いデータを事前に除外 | D1.3 |
| 構造化データストアのメタデータ整備 | クローラでスキーマ推論しData Catalogへ登録 | D1.3, D1.4 |
| ガバナンス・監査 | Data Catalogのメタデータタグ+CloudTrailで系譜を追跡 | D3.3 |
| 機密データの検知 | Glueのセンシティブデータ検出機能で個人情報を特定・是正 | D3.2 |
試験でどう問われるか
| 問われ方 | 正解に寄る条件 | 引っかけ |
|---|---|---|
| 「RAGに読ませる前にデータの欠損・重複を検査したい」 | Glue Data Quality(DQDLルール、データ品質スコア) | Glue Data Wrangler(ML特徴量向けの対話的整形であり、ルールベース検査ではない) |
| 「複数チームが同じS3データをスキーマ知らずに使っている」 | Glue crawler → Data Catalog で中央目録を作る | 各チームに個別のスキーマ定義を書かせる |
| 「誰がどのテーブルにアクセスできるかを制御したい」 | Data Catalogは目録にすぎず、権限はLake Formationが担当 | Glue単体で列レベル権限まで制御できると誤答する |
Glue Data Qualityのルールセットは1つにつき最大2,000ルール・65KBが上限です。超える場合は分割が必要。また入れ子(nested)やリスト型のデータは直接評価できず、事前にフラット化しないとルールが機能しません。
実務でどう使うか
| 実務上のポイント | 内容 |
|---|---|
| Data Catalog向け評価 | ルール推奨機能が使え非エンジニアでも設定しやすいが、失敗レコードの特定はETLジョブ側の機能で対応していない |
| ルールセットの紐付け | 必ずData Catalog上のテーブルに紐づけて作成する。テーブルの無いS3プレフィックスには直接適用できない |
| メタデータ層の共有 | Data CatalogはLake Formation・Athena・Redshift Spectrum・EMRと共有。1回整備すれば全体に効く |
取り違えやすいもの
| 迷う相手 | 切り分けの一言 |
|---|---|
| AWS Lake Formation | Data Catalog=「何がどこにあるか」の目録。Lake Formation=「誰が読めるか」の許可層。両者はセットで動く別サービス |
| SageMaker Data Wrangler | Data QualityはDQDLによるルール検査。Data Wranglerは対話的な特徴量エンジニアリング。目的が違う |
| Amazon Athena | Data Catalogはメタデータの置き場。Athenaはそのメタデータを使ってS3データをSQLで検索する側 |
想起チェック
Q1. RAGコーパスに欠損値だらけの文書が混ざらないようにするには?
Glue Data QualityでDQDLルール(NULL率・重複チェックなど)を定義し、評価してデータ品質スコアで判定します。Data Wranglerは対話的な特徴量整形が主目的で、ルールベースの品質ゲートではありません。
Q2. Glue Data Catalogだけで「特定チームには特定列を見せない」制御はできる?
できません。 Data Catalogはメタデータの目録にすぎず、列・行レベルの細かいアクセス制御はAWS Lake Formationが担当します。