ひとことで言うと
Well-Architected Toolは、ワークロードを6本柱のベストプラクティスに沿って点検する無料サービス本体です。Generative AI Lensはその上に載せる、生成AI向けの追加質問セットです。
要するに、健康診断キットと専門外来のオプション検査です。ツール本体(基本の6本柱)が一般健診なら、Generative AI Lensは「生成AIワークロード専門外来」の追加検査。しかもこの専門外来は標準装備ではなく、外部から取り込んで初めて受けられます。
なぜ生まれたか
| 基本6本柱だけでは拾えない生成AI特有の懸念 | Generative AI Lensの受け皿 |
|---|---|
| モデル出力の一貫した品質維持 | 運用上の優秀性(Operational Excellence) |
| プロンプトインジェクション・有害な出力 | セキュリティ |
| スループット要件・分散推論の失敗処理 | 信頼性 |
| ベクトルストアやエージェントワークフローのコスト | コスト最適化 |
Generative AI Lensは、Amazon BedrockまたはSageMaker AIを使う生成AIアプリケーションを対象に、この隙間を埋めるベストプラクティスを提供します。
何に使うか
| 柱 | 生成AI向けの主な観点 |
|---|---|
| 運用上の優秀性 | モデル出力品質の一貫性、トレーサビリティ、モデルカスタマイズの実行判断 |
| セキュリティ | エンドポイント保護、有害出力・過剰な権限行使の抑制、プロンプト保護 |
| 信頼性 | スループット処理、コンポーネント間通信、分散推論の失敗処理 |
| パフォーマンス効率 | モデル性能の把握・改善、データ検索性能の最適化 |
| コスト最適化 | モデル選定、プロンプトエンジニアリング、ベクトルストア・エージェントワークフローの費用最適化 |
| 持続可能性 | 学習・カスタマイズ・ホスティングでの計算資源最小化 |
試験でどう問われるか
| 問われ方 | 正解に寄る条件 | 引っかけ |
|---|---|---|
| 「生成AIアプリの設計を標準化したいが、まだ何もツールを使っていない」 | Well-Architected Toolでワークロードを登録しGenerative AI Lensを適用 | 独自チェックリストをゼロから作る(既存の枠組みを使わない選択肢は非効率) |
| 「SageMakerでの従来型ML(生成AIでない)を評価したい」 | Machine Learning Lens(Generative AI Lensとは別のレンズ) | Generative AI Lensを使うと誤答する(対象は生成AIワークロード) |
| 「Generative AI Lensをコンソールで選ぼうとしたが見当たらない」 | カスタムレンズとしてのインポートが必要(GitHubのJSONを取り込む) | AWS標準レンズとして最初から選べると誤答する |
Generative AI Lensは「AWS公式のビルトインレンズ」ではなく「カスタムレンズ」です。 AWS Well-Architected公式のカスタムレンズGitHubリポジトリからJSONファイルをダウンロードし、Well-Architected Toolにインポートして初めて使えます。「Well-Architected Toolを開けば最初から選べる」という前提で回答すると外します。
実務でどう使うか
| 実務上のポイント | 内容 |
|---|---|
| 料金 | Well-Architected Tool自体は無料 |
| 連携サービス | AWS Trusted Advisor・AWS Service Catalog AppRegistryと連携し、レビューの質問に答える情報収集を助けてくれる |
| 対象範囲 | Amazon Bedrock上の基盤モデルまたはSageMaker AI上のカスタマー管理モデルを使うアプリケーションが対象。従来型MLは別文書のMachine Learning Lensの範囲 |
取り違えやすいもの
| 迷う相手 | 切り分けの一言 |
|---|---|
| Machine Learning Lens | 従来型ML(SageMakerでのモデル学習・特徴量エンジニアリング)向け。Generative AI LensはBedrock/SageMaker AIの生成AIアプリ向け |
| AWS Trusted Advisor | Trusted Advisorはアカウント全体の自動チェック。Well-Architected Toolはワークロード単位の質問回答型レビュー |
| カスタムレンズ全般 | Generative AI Lensは「AWSが提供する」カスタムレンズの一つ。ユーザー独自の社内基準を反映する自作カスタムレンズとは別物だが、取り込み方(インポート)は同じ仕組み |
想起チェック
Q1. Well-Architected ToolでGenerative AI Lensを使うために最初にやることは?
AWS公式のカスタムレンズGitHubリポジトリからGenerative AI LensのJSONファイルを取得し、カスタムレンズとしてWell-Architected Toolにインポートします。標準搭載ではありません。
Q2. 従来型のSageMaker MLワークロードをレビューしたい。Generative AI Lensを使うべき?
使いません。 対象は生成AI(Bedrock上の基盤モデル、SageMaker AI上のカスタマー管理モデル)です。従来型MLは別レンズのMachine Learning Lensが対象です。