30秒で理解
エンゲージメント率とは、GA4で「エンゲージしたセッション」が全セッションの何%だったかを示す数字です。GA4のレポートでは分子が「エンゲージのあったセッション数」という指標名で出てきます。
GA4では、次のいずれかに当てはまるセッションを「エンゲージしたセッション」と数えます。
| 判定条件 | そのセッションで起きたこと |
|---|---|
| 時間 | 10秒以上続いた |
| キーイベント | 1件以上発生した |
| 閲覧数 | ページビューまたはスクリーンビューが2件以上あった |
つまり「読者が10秒以上いた」「重要な行動があった」「2ページ以上見た」のどれかを満たした訪問の割合です。SNSの反応数を足した数字や、ユーザー単位の割合ではありません。
店の前を通った人のうち、店内に10秒以上いる、商品を見に進む、または購入手続きを始めた人の割合と考えると近いです。通行人の人数ではなく、店に入った後の行動をセッション単位で見ます。
計算式と計算例
計算は、エンゲージしたセッション数を全セッション数で割ります。分母はユーザー数ではなく、期間中に始まったセッション数です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| セッション数 | 1,000 |
| エンゲージしたセッション数 | 420 |
| エンゲージメント率 | 420 ÷ 1,000 × 100 = 42% |
1人が2回訪問すれば、セッションは2件として集計されます。同じ人が何人いたかを知りたいときは、ユーザー指標を別に確認します。
この数字が表すもの
この指標が表すのは、訪問がGA4の定義する「エンゲージしたセッション」になった割合です。記事を最後まで読んだ割合、満足した人の割合、購入した人の割合を直接示すものではありません。
| 見えている状態 | まず疑うこと | 次に分ける軸 |
|---|---|---|
| 全体で低い | 流入時の期待と着地ページがずれている、または計測が足りない | チャネル・ランディングページ・デバイス |
| 特定チャネルだけ低い | 広告や検索結果の訴求と、着地後の内容が一致していない | セッションの参照元/メディア・ページ |
| 特定ページだけ低い | 冒頭で用件に答えていない、次の導線が見つからない | ページ・画面・流入クエリ |
| 急に変わった | タグ、キーイベント、ページ構成、流入施策の変更 | 変更日を境にした期間比較 |
場面によって意味が変わる
GA4の判定条件は同じでも、サイトの目的によって「エンゲージした」と判断したい状態は変わります。キーイベントを条件に含める場合は、何をキーイベントに登録しているかが数字に影響します。
| 場面 | 数字を読むときの視点 | 一緒に確認するもの |
|---|---|---|
| 読み物のサイト | 10秒以上の閲覧や2ページ目への移動が、内容への関心の手掛かりになっているか | ランディングページ・平均エンゲージメント時間 |
| EC | 商品閲覧や購入など、設定したキーイベントにつながる訪問があるか | 商品ページ・キーイベント数・購入 |
| SaaS | サインアップなどのキーイベントを含む訪問があるか | 流入元・機能ページ・キーイベント率 |
| アプリ | 画面遷移やアプリ内のキーイベントが発生したセッションか | スクリーン・イベント・端末 |
同じ42%でも、記事サイトで10秒滞在が中心なのか、ECで購入キーイベントが含まれているのかで判断は変わります。サイトの目的に対して必要な行動を、キーイベントや画面別の指標と並べて読みます。
低い・高いときに、次にやること
まずGA4で 「レポート」→「エンゲージメント」 を開きます。エンゲージメント率の列が見えない場合は、レポートをカスタマイズして指標に追加します。標準レポートに表示される指標は、プロパティの設定によって異なります。
| 状態 | 開く場所 | 次にする操作 |
|---|---|---|
| 全体の高低を確認したい | 「レポート」→「エンゲージメント」 | レポートをカスタマイズし、「エンゲージメント率」と「セッション」を同じ表に追加する |
| 低いページを特定したい | エンゲージメントのページ/画面レポート | 表をページまたは画面で見て、エンゲージメント率の低い行を選ぶ。期間を直前の同じ長さに変えて差を確認する |
| 低い流入元を特定したい | 「レポート」→「集客」 | トラフィック獲得レポートで、参照元/メディアまたはデフォルトチャネルグループ別にエンゲージメント率を並べ替える |
| キーイベントが効いているか見たい | 「探索」 | 自由形式でチャネルまたはランディングページを行に置き、エンゲージメント率とキーイベント数を同時に確認する |
| 数字が急変した | 該当レポートと変更履歴 | 変化した日を境に、タグ、キーイベント、ページ、流入施策の変更を照合する |
低い行を見つけたら、ページの本文をいきなり直さず、まず「どのチャネルから来たセッションか」と「どの条件でエンゲージしたか」を確認します。高い場合も、キーイベント数が増えているかを同じ行で確認します。率だけ上がっても、事業上必要な行動が増えたとは限りません。
最後に開く場所を1つに絞るなら、**「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」**です。チャネル別にエンゲージメント率を並べ替え、最も低い行の参照元/メディアを開いてから、ランディングページ単位へ絞り込みます。
注意点
エンゲージメント率を「読了率」や「コンバージョン率」と同じものとして扱わないでください。10秒以上開いていたセッションは、購入や問い合わせがなくてもエンゲージしたセッションになります。目的の行動を測るときは、キーイベント数やキーイベント率を別に並べます。
また、first_visit、first_open、session_start は、キーイベントとして設定していてもエンゲージしたセッションの判定には使われません。タグが全ページに入っているか、キーイベントの設定を変更していないかも、急な変化を調べるときに確認します。
| 避けたい読み方 | 置き換える確認 |
|---|---|
| サイト全体の率だけで良し悪しを決める | チャネル・ページ・デバイスで分ける |
| 高ければ成果が出たと判断する | キーイベント数や売上を同じ期間で見る |
| 低ければすぐ本文を書き換える | 流入元とランディングページの組み合わせを特定する |
| 1日だけの変化で結論を出す | 同じ期間幅の前期間と変更履歴を並べる |