症状
「SEO流入が減った」は、最初の診断結果ではなく症状の名前です。アクセス解析のセッションだけを見ていると、検索以外の流入や計測不具合まで一緒に見てしまいます。まず Search Console の検索結果パフォーマンスで、クリック数と表示回数を同じ期間で比べます。
| 見えた変化 | 最初に疑う範囲 | 次に開く画面 |
|---|---|---|
| クリックと表示回数が同時に減った | 検索需要、順位、インデックス、サイト全体の障害 | Search Console「検索結果」→「日付」→「比較」 |
| 表示回数は同程度でクリックだけ減った | 検索結果での見え方やクリック率 | 「検索結果」→「ページ」または「クエリ」 |
| 特定のページ群だけ減った | その範囲のテンプレート、canonical、クロール・インデックス | 「ページ」→対象URL→URL検査 |
| 検索以外のレポートだけ減った | 検索ではない流入源の変化 | 「検索タイプ」フィルタ |
| 直近のデータだけ不自然に途切れた | 集計遅延やデータ異常 | Search Console のデータ異常情報 |
Google は検索トラフィックの減少について、データ処理の変更や記録エラーも確認対象に挙げています。いきなりページを書き換えず、まず比較できる範囲を作ります。
上から順に確認する表
次の表を上から1行ずつ実行します。各行で判定できたら、右端の分岐へ進みます。Search Console の比較では、日単位の偶然を減らすため、同じ曜日を含む期間を選び、グラフの粒度を週または月にします。
| 順番 | 操作 | 判定 | 進む先 |
|---|---|---|---|
| 1 | Search Console「検索結果」を開き、「日付」→「比較」で直前の同じ長さの期間を選ぶ | クリック・表示回数のどちらが減ったかが分かる | クリックだけなら3、表示回数も減ったなら2 |
| 2 | 同じレポートの「検索タイプ」でウェブ、画像、動画、ニュースを個別に見る | 減少した検索タイプが分かる | ウェブだけなら3、特定タイプだけならその表示形式を調べる |
| 3 | 「ページ」タブを開き、差分の大きいURLを確認する | サイト全体か、一部URLかが分かる | 一部なら4、全体なら5 |
| 4 | 対象URLを1つ選び、「URL検査」でインデックス登録の可否とGoogleが選択したcanonicalを確認する | URL単位の技術的な問題かが分かる | 未登録・canonical不一致ならそのURLの修正へ |
| 5 | Search Console の「手動による対策」と「セキュリティの問題」を開く | 検索結果からの除外につながる通知の有無が分かる | 通知があれば内容と対象範囲を確認する |
| 6 | Google Search Central の検索ランキング更新情報と、Google Trendsで対象語を確認する | サイト外の検索需要や検索システムの変化かを切り分ける | 変更時期とページの減少時期を並べて記録する |
Search Console のパフォーマンスレポートでは、期間、ページ、クエリ、検索タイプなどで絞り込み、期間同士を比較できます。比較結果の差分を起点にすると、「サイト全体が落ちた」という大きな症状をURLやクエリの単位まで縮められます。
各分岐でやること
クリックだけが減った場合
表示回数が保たれているなら、検索結果に出る機会よりも、表示された後のクリック側を見ます。Search Console「検索結果」→「ページ」でCTR列を表示し、前期間との差分が大きいページを選びます。次に「クエリ」タブへ移り、表示回数が多いクエリとページの組み合わせを確認します。
タイトルを書き換える前に、クエリ、表示回数、CTR、掲載順位を同じページで記録します。内容と一致しない文言でクリックだけを取りに行くと、検索後の離脱や問い合わせの質まで変わるためです。
表示回数も減った場合
「ページ」タブで減少が全URLに広がっているか、特定のディレクトリやテンプレートに偏っているかを見ます。サイト全体なら、検索タイプ、国、デバイスのフィルタを順に追加します。特定条件だけなら、条件の変更や検索需要の変化が候補です。
| 絞り込み後の状態 | 読み方 | その場で確認すること |
|---|---|---|
| ウェブ検索だけ減る | ウェブ検索側の順位・表示・インデックスを確認 | 「平均掲載順位」を表示し、減少開始日を記録 |
| モバイルだけ減る | 端末別の検索結果やページ表示の差を確認 | 「デバイス」→「モバイル」でページ別に比較 |
| 特定ディレクトリだけ減る | 共通テンプレートや設定の影響を確認 | 代表URLをURL検査に入力 |
| 特定クエリ群だけ減る | 検索意図や需要の変化を確認 | 「クエリ」で差分順に並べ、Google Trendsも開く |
特定ページだけ減った場合
減少したURLを1つ選び、Search Console「URL検査」に貼り付けます。インデックス登録済みか、正規URLが想定どおりか、クロール可能かを確認します。未登録なら表示された理由をそのまま記録し、ページの公開状態、noindex、canonical、robots.txt、サーバー応答を担当者に渡します。
サイト全体の流入減は「店の客数が減った」という症状です。ページタブで範囲を絞り、URL検査で1ページの入口を調べると、商店街の問題か、特定店舗のシャッターの問題かを分けられます。
通知やデータ異常が見つかった場合
手動による対策が表示されている場合は、レポートを開いて対象ページのパターンと問題の種類を確認します。Google の案内では、影響を受けた全ページを直した後に同じレポートから審査をリクエストします。データ異常や集計の途切れなら、サイトを変更する前に、減少期間と通知内容を作業記録へ残します。
手動による対策が無いことは、順位低下の原因が無いという意味ではありません。通知の有無は「手動対策の分岐」を閉じる材料であり、アルゴリズム変更、需要、競合、ページ品質の判定までは代替しません。
判定がつかないときの逃げ道
1回の比較で決められないときは、変更を増やさず、代表URLを3つに絞って記録を作ります。各URLについて、Search Console「ページ」でクリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を期間比較し、URL検査の結果と、タイトルや本文を変更した日を同じ表に置きます。
| 記録する列 | 入力する内容 |
|---|---|
| URL | 減少が大きいページを1つ、影響が小さいページを2つ |
| 比較期間 | 減少前と減少後。両方の期間の長さをそろえる |
| クリック・表示回数・CTR・平均掲載順位 | Search Console「ページ」タブの値 |
| URL検査 | インデックス登録、canonical、最終クロールの表示 |
| 変更履歴 | タイトル、本文、テンプレート、URL、サーバー設定を変えた日 |
| 外部要因 | 検索タイプ、デバイス、検索需要、ランキング更新の確認結果 |
この表で差分が再現しないなら、ページを連続して改稿せず、Search Console の同じ比較条件を保存して再確認します。差分が再現したら、最初に開く場所は「減少が最大のURL」→「URL検査」です。そこで未登録・canonical不一致・クロール不能のいずれも出なければ、次は「検索結果」→「クエリ」で表示回数が減った検索語を開きます。