30秒で理解
Webマーケティングでいう User(ユーザー) は、期間内にサイトやアプリを利用した人のまとまりです。ただし、アクセスログに本名が記録されているという意味ではありません。分析サービスが識別子を使って、複数の操作を同じ利用者として集計した単位です。
GA4では、ユーザーに関する指標が1つではありません。「Total users」は期間内にイベントを発生させたユニークユーザー、「Active users」はサイトやアプリに関わったユーザー、「New users」は初回訪問・初回起動を記録したユーザー、「Returning users」は過去にセッションを開始したことがあるユーザーです。レポートではアクティブユーザーが中心になるため、画面の列名を確認せずに「ユーザー数」とだけ読むと判断を誤ります。
入場者数ではなく、入場券に付いた番号を数える仕組みです。同じ番号で何度入っても1人として数えますが、番号の付け方が違えば同じ人が別人として数えられます。ログイン情報を使うのか、端末単位の識別子を使うのかで、集計される「1人」の範囲が変わります。
どういう仕組みか
GA4は、受け取ったイベントを識別子と結び付け、同じ識別子に属するイベントをユーザー単位にまとめます。レポート用識別情報には、User-ID、Device ID、モデリングが使われます。ログイン利用者に一貫したUser-IDを送れば、複数の端末やプラットフォームでの行動を同じユーザーとして扱える場合があります。
| 識別の材料 | 何を同じユーザーと見なすか | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| User-ID | 事業者が付けたログイン利用者のID | IDを一貫して送れている範囲で、端末をまたいだ行動をまとめやすい |
| Device ID | Webのブラウザやアプリのインスタンスに結び付くID | 同じ人でも端末・ブラウザが変わると別ユーザーになることがある |
| モデリング | 識別子を許可しなかった利用者について、類似データから推計した結果 | 実測した個人の一覧ではなく、レポート上の推計を含む場合がある |
レポート用識別情報の設定は、管理画面の 「データの表示」→「レポート用識別情報」 で確認できます。ここを変更してもデータ収集そのものが変わるわけではありませんが、レポートで同じ期間を見てもユーザー数が変わることがあります。
どこで見えるか
ユーザー数は、目的に応じて異なる画面で確認します。サイト全体の傾向を見る画面と、個別の行動を見る画面を混ぜないことがポイントです。
| 知りたいこと | 開く場所 | 最初に見る項目 |
|---|---|---|
| いま利用中の規模 | 「レポート」→「リアルタイム」 | アクティブユーザー。直近の動きを確認する |
| 期間内の増減 | 「レポート」内の対象レポート | 日付範囲を固定し、Total users / Active users / New users の列名を確認する |
| 1人の行動の流れ | 「探索」→「ユーザー エクスプローラ」 | 選択したユーザーの獲得情報とイベントの時系列を見る |
| 複数端末をまたいだ集計方法 | 「管理」→「データの表示」→「レポート用識別情報」 | Blended / Observed / Device-based の設定を確認する |
GA4のリアルタイムレポートは、サイトやアプリの現在の動きを見る場所です。施策の前後を比較するなら、同じ日付範囲、同じレポート用識別情報、同じユーザー指標をそろえてから数字を並べます。
よくある誤解
「ユーザー」は人間の実人数そのものでも、訪問回数そのものでもありません。計測設定、同意状況、利用端末、選んだ指標によって、実際の人数との差が生じます。
ユーザー数をユニークな実人数として社内の名簿と突き合わせないでください。同じ人が複数の端末を使えば別ユーザーになることがあり、User-IDを使えば逆に複数端末の行動が1ユーザーにまとまることがあります。個人を特定できる情報をUser-IDとして送ることも避け、利用目的とプライバシー通知を確認してください。
よくある読み違いは次の3つです。
| 誤解 | 実際に起きていること | 切り分ける場所 |
|---|---|---|
| ユーザー数は訪問回数 | 1ユーザーが複数回訪問しても、ユーザーとセッションは別の単位 | 同じレポートで Users と Sessions の列を分けて見る |
| New users は必ず Active users に含まれる | 初回イベントがあっても、アクティブユーザーの条件を満たさない場合がある | 「ユーザー指標」の定義と、期間内のイベントを確認する |
| 先月と今月の差は施策の効果 | 識別情報、同意、タグ、データストリームの変更でも数字は動く | レポート用識別情報と変更履歴を先に照合する |
これを踏まえて何をするか
ユーザー数が増えた・減ったという報告を受けたら、まず数値を転載せず、次の順で集計条件を固定します。
| 順番 | 開く画面 | その場で確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 「管理」→「データの表示」→「レポート用識別情報」 | 前回と同じ設定か。変更日が記録されているか |
| 2 | 「レポート」→対象レポート | 指標が Active users / Total users / New users のどれか |
| 3 | 日付範囲と比較設定 | 期間、比較対象、対象のデータストリームが同じか |
| 4 | 「探索」→「ユーザー エクスプローラ」 | 増減が出た期間に、想定したイベントが記録されているか |
判定がつかないときは、レポートのスクリーンショットを共有する前に、管理 → データの表示 → レポート用識別情報を開き、設定名と確認日をメモします。その後、対象レポートで Active users と Total users を同じ日付範囲に並べて表示し、差が出た期間のイベント計測を確認してください。これが、次に開く画面と最初に固定する条件です。