30秒で理解
一度来たユーザーのうち、決めた期間後にも戻ってきた人の割合です。
たとえば、4月1日に初めて来た100人のうち、4月8日にも利用した人が32人なら、7日後の Retention Rate は32%です。何をもって「利用」とするかは、再訪、購入、ログインなど、サービスの目的に合わせて先に決めます。
Retention Rate は、店の一度きりの来店客が、決めた日にもう一度来た割合です。来店日をそろえずに全来店客だけを数えると、最近来た人と古くからの常連を同じ箱に入れてしまいます。まず来店日が近い人をコホートに分けます。
計算式と計算例
分母は「基準期間に入ったユーザー」、分子は「その後の指定期間にも、決めた行動をした同じユーザー」です。日次・週次・月次のどれで計るかも式の一部として固定します。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 4月1日に初回利用したユーザー | 100人 |
| 7日後にも利用したユーザー | 32人 |
| 7日後の継続率 | 32 ÷ 100 × 100 = 32% |
この例で4月2日に初回利用した人を分母へ足すと、4月1日コホートの数字ではなくなります。比較するときは、同じ基準日・同じ経過日数・同じ利用条件の行を並べます。
この数字が表すもの
Retention Rate が示すのは、最初の接点を持ったユーザーが、設定した条件で戻ってくる割合です。集客数の多さではなく、獲得後の利用が続いているかを見ます。
| 数字の動き | 読み取れる可能性 | 次に切り分ける軸 |
|---|---|---|
| 初回利用は増えたが継続率が下がった | 新しい流入の期待と実際の体験がずれている | 流入元・初回画面・初回行動 |
| 継続率は横ばいで初回利用だけ減った | 既存ユーザーは残っているが新規獲得が弱い | 流入元・獲得施策・期間 |
| 特定コホートだけ低い | その時期の施策、端末、流入元に差がある | コホートの獲得日・デバイス・キャンペーン |
| 7日後は高いが30日後に急落する | 短期の用事は済むが、長期利用の理由が弱い | 7日目以降の利用機能・購入・離脱 |
1つの全体平均だけでは、どの時期に入った人が残っているか分かりません。Retention Rate はコホートごとに見ることで、施策や体験の変更前後を比べやすくなります。
場面によって意味が変わる
同じ継続率でも、対象ユーザー・戻ったと判定する行動・期間が違えば別の指標です。Google アナリティクスのコホート分析でも、ユーザーの取り込み条件と、その後の return 条件を設定して集計します。
| 場面 | 基準となるユーザー | 「継続」と数える行動 | 期間の例 |
|---|---|---|---|
| メディア・サイト | 初めて訪問したユーザー | 再訪、または指定イベント | 1日後・7日後・30日後 |
| アプリ | 初回起動したユーザー | 起動、特定機能の利用 | 翌日・翌週 |
| EC | 初回購入した顧客 | 再購入 | 30日後・90日後 |
| SaaS | 契約・初回利用した顧客 | ログイン、主要機能の利用、契約継続 | 月次 |
「再訪」を継続とするサイトと、「購入」を継続とするECを同じ表で比較しません。行動の定義が変われば、数字の名前が同じでも意思決定の意味は変わります。
注意点
Retention Rate の高低だけで、施策の成功を決めないでください。少人数のコホートは1人の増減で大きく動きます。また、計測対象の識別方法が変わると、同じ人を同じユーザーとして追えないことがあります。分母・分子の行動、コホートの粒度、集計期間を記録してから比較します。
「休眠しているが後で戻る」人を含めるか、毎期間に必ず利用した人だけを残すかでも結果は変わります。標準、rolling、cumulative のどの集計にしたかをレポート名やメモに残します。
高い・低いときに、次にやること
まず Google アナリティクスで、左メニューの 「レポート」→「ライフサイクル」→「維持率(Retention)」 を開きます。表示されない場合は、編集者または管理者がレポート ライブラリから追加できるか確認します。
| 状態 | 開く場所 | 次にする操作 |
|---|---|---|
| 全体の継続率が低い | 「ライフサイクル」→「維持率」 | 「ユーザー維持率」を見て、Day 1・Day 7・Day 30 のどこで落ちるかを確認する |
| コホート間で差がある | 「探索」→「テンプレート ギャラリー」→「コホート データ探索」 | 初回接点を含める条件、戻ったと判定する条件、日・週・月の粒度を設定して比較する |
| 流入元で差がある | コホート探索の「内訳」 | デバイスや流入元など1つの内訳を追加し、低いコホートの初回行動を確認する |
| 継続率が急に変わった | 同じレポートの期間設定とイベント設定 | 分母・return 条件・イベント名・計測タグの変更履歴を、変化の前後で照合する |
判定できないときは、まず「初回利用日」「継続とするイベント」「経過日数」を1枚の表に固定し、同じ条件で直近3コホートを並べます。最初に見る画面は 探索のコホート データ探索、最初に設定する項目は return 条件です。