Webマーケティング指標 完全ガイド
全体像
数字は単独で眺めず、ユーザーが進む順番に並べると判断しやすくなります。まず「どれだけ見られたか」、次に「どれだけ進んだか」、最後に「売上や継続につながったか」を分けます。
| 段階 | 代表的な指標 | その数字で判定すること |
|---|---|---|
| 認知・露出 | Impression / Reach | そもそも見られる機会があるか |
| 流入 | Click / CTR / CPC | 表示からサイトへ進んでいるか、1クリックにいくらかかるか |
| 獲得 | Conversion / CVR / CPA | 目的の行動まで進んでいるか、1件いくらかかるか |
| 売上 | Revenue / AOV / ROAS | 売上が出ているか、費用に見合う売上か |
| 継続 | Retention Rate / Churn Rate / LTV | 一度獲得した人が残り、価値を生んでいるか |
たとえば広告費だけ増やして売上が伸びない場合、最初に広告費を責めるのではなく、Impression → CTR → CVR → Revenue のどこで止まっているかを確認します。
手順
1. 期間と対象を固定する
比較する期間、チャネル、ページ、キャンペーンを先に決めます。サイト全体の数字と広告だけの数字を混ぜると、どの施策を直すべきか判定できません。
2. 露出と流入を分けて見る
Search Console では、検索結果でのクリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を確認できます。CTR はクリック数 ÷ 表示回数です。Google 広告では、表示回数、クリック数、費用、コンバージョンなどを同じ対象で確認します。
3. 獲得を確認する
サイト側では、GA4 のイベントとキーイベントを確認します。クリックが増えているのに獲得が増えないなら、流入後のページ、フォーム、計測設定を順に切り分けます。
4. 売上と費用をつなぐ
売上だけでなく、広告費や制作費など比較対象に含める費用をそろえます。ROAS は広告費に対する売上の比率、CPA は1件の獲得にかかった費用です。どちらも「何をコンバージョンと定義したか」を併記しないと比較できません。
| 確認順 | 見る画面 | ここで記録するもの |
|---|---|---|
| 1 | Search Console「検索パフォーマンス」 | クエリ別・ページ別の表示回数、クリック数、CTR |
| 2 | 広告管理画面のキャンペーン表 | キャンペーン別の表示回数、クリック数、費用、獲得 |
| 3 | GA4 の「レポート」 | ユーザー、セッション、イベント、キーイベント |
| 4 | 売上・受注の管理画面 | 受注数、売上、返金を含めるかどうか |
指標の読み方
同じ数字でも、分母と集計範囲が違えば意味が変わります。Search Console の表示回数は検索結果などで自分のリンクが表示された回数で、GA4 のユーザーやセッションとは別のものです。
指標は健康診断の項目に似ています。体重だけで健康を決めないように、CTRだけで施策の成功を決めません。表示回数が増えたのか、クリック後に目的の行動が増えたのかを、同じ対象・同じ期間で並べて読みます。
低い数字を見つけたときの読み方は次のとおりです。
| 観測した組み合わせ | まず疑う場所 | 次に開く画面 |
|---|---|---|
| 表示回数が少ない | 検索需要、配信設定、掲載対象 | Search Console の「クエリ」「ページ」または広告の配信設定 |
| 表示回数はあるがクリックが少ない | タイトル・説明文・広告文・検索語とのずれ | Search Console の「クエリ」タブ、広告の検索語句レポート |
| クリックはあるが獲得が少ない | 遷移先、フォーム、キーイベント計測 | GA4 のランディングページとキーイベント |
| 獲得はあるが売上が少ない | 獲得の定義、単価、返金、商談化 | 受注・売上の管理画面と獲得元の内訳 |
| 売上はあるが費用が重い | CPC、CPA、広告費、継続率 | 広告の費用列と顧客別の売上・継続データ |
つまずきどころ
最も多い失敗は、別の道具の数字を足し合わせて「合計」と呼ぶことです。Search Console と GA4 では計測対象や集計方法が異なるため、クリック数とセッション数は一致しないことがあります。
比較するときは、期間・対象・定義・タイムゾーンをメモに残してください。「コンバージョン」に購入だけを含めるのか、問い合わせも含めるのかを変えたまま前月と比較すると、改善ではなく定義変更を見てしまいます。
次の点も確認します。
| つまずき | なぜ危険か | 修正方法 |
|---|---|---|
| 全体平均だけを見る | 良いページと悪いページが混ざる | ページ、クエリ、キャンペーンで分ける |
| CTRだけを上げる | クリック後の獲得や売上を壊すことがある | CVR、CPA、Revenue まで同じ表に置く |
| 平均掲載順位だけで判断する | 検索結果の見え方やクエリ構成を表さない | 表示回数とクリック数の推移も見る |
| 数字の期間が違う | 施策前後を正しく比べられない | 比較期間と集計条件を固定する |
最初にやる1つ
今日ひとつだけ確認するなら、Search Console の「検索パフォーマンス」を開き、期間を直近28日に固定します。次に「ページ」タブで表示回数の多い順に並べ、上位5ページのクリック数・CTR・平均掲載順位を表に転記します。
| ページ | 表示回数 | クリック数 | CTR | 平均掲載順位 | 次の判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1ページ目 | 表示はあるのにクリックが少ないか | ||||
| 2ページ目 | クリック後の獲得を確認するか | ||||
| 3ページ目 | 対象期間を延ばすか |
CTRが低いページは、その行をクリックして「クエリ」タブを開き、表示回数の多い検索語とページのタイトルが一致しているか確認します。クリックはあるのに成果が少ないページは、同じページのURLをGA4のランディングページ別レポートで開き、キーイベントが記録されているか確認します。ここまで進めれば、次に直す場所は「表示される前」「クリックされる前」「クリックされた後」のどこかに絞れます。