30秒で理解
AOV(Average Order Value)は、1回の注文あたりの平均売上です。 日本語では平均注文単価と呼びます。
売上だけを見ていると、注文数が増えたのか、1注文あたりの金額が増えたのか分かりません。AOVを注文数と並べると、売上の変化を「何件売れたか」と「1件でいくら買われたか」に分けて読めます。
レジの合計を、会計したお客さんの人数で割った「1回の会計の平均」です。来店者全体の平均ではなく、実際に注文まで進んだ会計だけを見ます。
計算式と計算例
AOVは、対象期間の売上を同じ期間の注文件数で割ります。注文数ではなく商品点数で割ると、AOVではなく1商品あたりの平均価格に近い別の数字になります。
| 対象期間 | 売上 | 注文件数 | AOV |
|---|---|---|---|
| 期間A | 120,000円 | 40件 | 3,000円 |
| 期間B | 135,000円 | 30件 | 4,500円 |
期間Aは120,000円 ÷ 40件で3,000円です。期間Bは注文が10件少ない一方、AOVが4,500円なので、売上は期間Aより15,000円多くなっています。注文数だけでなく、両方を計算します。
この数字が表すもの
AOVが表すのは、購入者が1回の注文にまとめて支払った平均額です。商品価格だけでなく、同時購入、セット販売、送料、税、値引き、返金を集計に含めるかで数字は変わります。
| AOVが動く要因 | 起きること |
|---|---|
| 購入点数 | 1回の注文に複数商品が入ると上がる |
| 商品構成 | 高価格の商品を含む注文が増えると上がる |
| 値引き | 割引額が大きい注文が増えると下がる |
| 返品・返金 | どの時点で売上から差し引くかにより比較結果が変わる |
AOVが高いことは、必ずしも利益が高いことを意味しません。高額商品ほど原価や配送費が大きい場合があり、利益を見るときは費用も同じ期間で並べます。
場面によって意味が変わる
「売上」と「注文」の定義を先に固定しないと、同じ店のAOVでも画面によって数字がずれます。ShopifyはAOVを、調整前の総売上から割引を引き、注文数で割る定義として説明しています。注文後の編集や交換などはこの計算から除外されます。
税込・送料込み・返金反映後のどれを売上と呼ぶかを、比較する期間と画面でそろえてください。定義が違う数字を「AOVが下がった」と結論づけると、商品や広告を誤って変更することになります。
| 集計場所 | 最初に確認する定義 |
|---|---|
| EC・決済サービス | 売上、値引き、税、送料、返品・返金の扱い |
| Google アナリティクス | purchase イベントの収益と通貨、注文を識別する設定 |
| 広告管理画面 | 注文の実売上か、広告用に設定したコンバージョン値か |
低いとき・高いときに、次にやること
まず先月と今月など比較期間をそろえ、売上・注文件数・AOVを同じ表に置きます。その後、数字の組み合わせに応じて確認場所を変えます。
| 見えている状態 | 判定 | 次に押す場所・操作 |
|---|---|---|
| 売上も注文数も減った | 注文を作る流れの問題が先 | GA4の「レポート」→「収益化」→「Ecommerce purchases」を開き、期間を比較して商品別の購入数を確認する |
| 注文数は同じでAOVだけ下がった | 商品構成・点数・値引きの問題が先 | ECサービスの注文一覧を開き、期間ごとに商品、数量、割引、返金を並べる |
| AOVは上がったが利益が減った | 費用が増えた可能性 | 受注データの売上と、原価・送料・決済手数料・広告費を同じ注文単位で開く |
| AOVが急に高くなった | 計測または一部の高額注文を確認 | 注文一覧を金額の降順に並べ、異常な注文とGA4のpurchaseイベントのvalue・currencyを照合する |
| GA4にAOVを出せない | EC計測の設定が未完了の可能性 | GA4の「管理」→「DebugView」でテスト購入を開き、purchaseイベントの金額と通貨を確認する |
AOVを上げる施策を考える前に、期間別の商品構成と値引きを開いてください。高価格商品の注文が増えたのか、複数商品を買う注文が増えたのかで、次に確認する画面が変わります。施策後はAOVだけでなく注文数と利益も同じ期間で確認します。
注意点
AOVは平均なので、一部の高額注文に引っ張られます。注文数が少ない期間は、平均の変化を施策の効果と即断しないでください。注文を金額帯や商品構成で分けて見ると、平均の中身を確認できます。
| 落とし穴 | 確認すること |
|---|---|
| AOVと商品単価を同じものとして扱う | 1注文に何点入っているかを注文単位で確認する |
| 税・送料・値引きを期間ごとに違う扱いにする | 売上の定義と集計条件をレポート名の横に記録する |
| AOVだけで広告の良し悪しを決める | 注文数、広告費、利益を同じ期間・流入元で確認する |
| GA4の値を受注台帳の実売上と同じとみなす | purchaseイベントの送信内容と受注側の注文番号を照合する |