30秒で理解
eCPMは、広告が1,000回表示されたと仮定したときの収益です。「effective(実効)」の名のとおり、クリック課金と表示課金が混ざっていても、実際に出た収益を表示回数にそろえて比べられます。
違う長さのレースを、全員1,000m走った場合のタイムに換算するような数字です。実際の表示回数が広告枠ごとに違っても、同じ1,000回という物差しで収益性を見比べられます。
計算式と計算例
基本式は「収益 ÷ 広告表示回数 × 1000」です。収益と表示回数は、同じ期間・同じ広告枠・同じ通貨のレポートから拾います。
| 広告枠 | 期間の収益 | 広告表示回数 | 計算 | eCPM |
|---|---|---|---|---|
| 枠A | 1,200円 | 30,000回 | 1,200 ÷ 30,000 × 1,000 | 40円 |
| 枠B | 900円 | 15,000回 | 900 ÷ 15,000 × 1,000 | 60円 |
この例では、収益の総額は枠Aのほうが大きい一方、1,000回あたりの収益は枠Bのほうが高いです。広告枠の効率を比べるなら、総収益だけでなく eCPM も並べます。
この数字が表すもの
eCPMが表すのは、表示1,000回あたりの収益効率です。広告枠の位置、閲覧者の地域、広告フォーマット、入札競争などが混ざった結果として出てきます。
| 見え方 | まず読むこと |
|---|---|
| eCPMが高く、表示回数も多い | 収益の柱になっている広告枠です |
| eCPMが高いが、表示回数が少ない | 単価は高いものの、全体の収益への寄与は小さい可能性があります |
| eCPMが低く、表示回数が多い | 配信量はあるので、枠・地域・広告形式を分けて確認します |
| eCPMが低く、表示回数も少ない | 収益化より先に、配信条件や表示機会を確認します |
eCPMだけでは広告事業全体の良し悪しは決まりません。Google AdMobも、eCPMの変化を見るときは収益・表示回数・広告リクエスト・マッチ率などを合わせて確認するよう案内しています。
場面によって意味が変わる
同じ eCPM という名前でも、分母が「広告表示回数」なのか「広告リクエスト」なのかで、読める内容が変わります。Google Ad Manager には、広告リクエスト、マッチしたリクエスト、広告表示を分母にする eCPM があります。
| 分母 | その eCPM から読めること | 比較するときの条件 |
|---|---|---|
| 広告表示回数 | 実際に表示された広告あたりの収益 | 同じ広告枠・期間・通貨で比べる |
| マッチしたリクエスト | 広告がマッチした段階での収益性 | 同じ配信元と定義で比べる |
| 広告リクエスト | リクエストから収益までを含む効率 | マッチ率も横に置く |
管理画面の指標名が「平均 eCPM」「Matched request eCPM」などになっている場合、名前だけで判断せず、そのレポートの定義と分母を開いて確認します。
低い(高い)ときに、次にやること
数字の高低だけで設定を変えず、同じ条件の内訳を開きます。次の順番で切り分けると、eCPMの低下が単価の問題なのか、表示機会の問題なのかを分けられます。
| 順番 | 開く場所 | そこで行う確認 |
|---|---|---|
| 1 | 広告管理画面のレポート | 期間を直近7日と、その直前の7日にそろえ、収益・表示回数・eCPMを並べます |
| 2 | 広告枠または広告ユニットの内訳 | eCPMが下がった枠を特定し、サイト全体の平均で隠れていないか確認します |
| 3 | 国・端末・広告形式の内訳 | どの組み合わせだけ eCPM が下がったかを開きます |
| 4 | 広告リクエストとマッチ率 | 表示回数が減っているなら、eCPMだけでなく配信されなかった割合を確認します |
| 5 | 変更履歴 | 低下した日付に、広告枠・入札・フロア・同意設定の変更がないか照合します |
高い eCPM の枠を見つけたら、すぐに全枠へ同じ設定をコピーするのではなく、まず同じ国・端末・広告形式で表示回数と収益を比較します。低い eCPM の原因が分からず、期間や分母もそろえられない場合は、設定変更を止めて、レポートの指標定義を開いたまま管理画面のサポート導線を使います。
注意点
eCPMは「広告1,000回あたりの収益」に換算した値で、1,000回表示すれば必ずその金額になる保証ではありません。特に表示回数が少ない期間は、少数の入札やクリックで大きく振れます。見積もりの収益と確定した収益も同じものとして扱いません。
| 落とし穴 | 確認すること |
|---|---|
| CPMと同じだと思う | CPMは価格や設定値を指す場合があり、eCPMは実績から換算した値です |
| eCPMが高い枠だけ増やす | 表示回数、総収益、ユーザー体験を同じ期間で確認します |
| 分母の違う eCPM を比べる | レポートの指標定義を開き、広告表示・マッチ済みリクエスト・リクエストのどれかをそろえます |
| 見積もり収益を確定額として扱う | Google Ad Manager のレポートでは、見積もり収益と確定収益の説明を分けて確認します |
最初に開く場所は、広告管理画面の「レポート」です。直近7日と直前7日を同じ分母の eCPM で並べ、最初に差が出た広告枠の内訳をクリックしてください。