指標

CPV視聴単価

動画広告が1回視聴(または一定時間の再生・操作)されるごとに発生する費用の平均額です。単なる表示ではなく、興味を持って見続けたユーザーに届いているかを測る指標になります。

計算式 広告費用 ÷ 視聴回数

30秒で理解

動画広告が1回見られたときに、いくらかかったか。 それを表す指標です。Cost Per View の略で、日本語では「視聴単価」と呼びます。

動画広告における最大の特徴は、単に画面へ出ただけの表示回数ではなく、「ユーザーが一定時間スキップせずに見続けた」、あるいは「動画内のボタンやリンクをクリックした」時点で初めて1回の視聴とみなされる点にあります。途中でスキップされた再生には費用が発生しないため、関心を持った視聴者に絞って広告費を使う仕組みになっています。

街頭で立ち止まって説明を聞いてくれた人の数で費用を払う仕組みです。通り過ぎた全員の分を払うのではなく、看板の前で足を止めて30秒間話を聞いた人(またはチラシのQRコードを読み取った人)の人数だけで費用を精算します。興味のない人の前を通り過ぎた回数ではなく、耳を傾けてくれた人あたりの単価です。

計算式と計算例

計算式は、かかった費用を視聴回数で割ります。

分母は視聴回数であって、表示回数でもクリック数でもありません。

広告費用表示回数視聴回数平均CPV視聴率
動画広告A100,000円50,000回10,000回10円20%
動画広告B100,000円50,000回5,000回20円10%

同じ広告費をかけて同じ回数だけ表示されていても、動画広告Bは冒頭でスキップされた割合が高いため、視聴回数が半分にとどまり、結果としてCPVは2倍の20円になります。表示回数だけを見ていると、動画が視聴者に届いているかどうかの違いを見落とします。

この数字が表すもの

CPVが表しているのは、動画のメッセージが相手に届くまでの費用効率です。動画広告の企画や冒頭の引き付けが視聴者の興味と一致していればスキップされにくくなり、効率よく視聴回数を獲得できます。

見えている状態たいてい起きていること
CPVが低く視聴率も高い冒頭のフックが効いており、配信対象の興味と動画内容が合致している
CPVは低いがサイト流入が少ない動画は見られているが、次の行動(クリック)を促す動線やオファーが不足している
CPVが高く視聴率が低い冒頭で惹きつけられずスキップされている。または競争が激しい枠で入札している
急にCPVだけ上がった目標単価を引き上げすぎたか、競合の参入によりオークションの相場が上がった

場面によって意味が変わる

同じ「CPV」や「視聴」という言葉を使っていても、広告フォーマットによって視聴としてカウントされる条件が異なります。

広告フォーマット視聴とみなされる条件課金の発生タイミング
スキップ可能なインストリーム広告30秒間(30秒未満は最後まで)再生、またはクリックなどの操作条件を満たした時点で課金(5秒でスキップされた場合は課金なし)
インフィード動画広告サムネイルのクリック、または自動再生を10秒以上(10秒未満は最後まで)視聴クリックまたは10秒以上の再生時
YouTube ショート広告10秒間(10秒未満は最後まで)再生、または外部リンクをクリック条件を満たした時点で課金
バンパー広告(6秒)/ スキップ不可広告視聴条件なし(CPVの対象外)CPVではなくCPM(表示1,000回あたりの費用)で課金

広告フォーマットをまたいでCPVの数値を直接比較しないようにします。30秒の視聴を必要とするインストリーム広告と、10秒で視聴が成立するショート広告では、1回の視聴にかかるハードルが根本から異なります。比較を行う際は、必ず同じフォーマット・同じ入札戦略の中で数値を照合します。

高いときに、次にやること

CPVが高騰しているときは、入札単価だけでなく動画クリエイティブの離脱箇所と配信先を順に確認します。

#見る場所具体的に何をするか
1Google 広告管理画面の「動画」タブ「動画の分析情報」を開き、動画再生時間の維持率(25%、50%、75%、100%)を確認する。特に最初の25%地点までに急激な離脱が起きていないかを見る
2動画クリエイティブの冒頭5秒スキップ可能になる最初の5秒間を見直す。長すぎる社名ロゴや導入の挨拶を削り、ターゲットが抱える悩みや結論を冒頭3秒以内に配置する
3「コンテンツ」→「プレースメント」広告が配信されたYouTubeチャンネルや動画の一覧を開き、「費用」または「平均CPV」の列で降順に並べ替える。単価が高騰している無関係なチャンネルや子供向け動画をチェックし、「広告グループから除外」に登録する
4「オーディエンス」タブターゲティングが狭すぎて入札競争が過熱していないか確認する。地域や年齢の絞り込みがきつすぎる場合は条件を緩め、カスタムセグメントのキーワードを見直す
5入札戦略の「目標広告視聴単価(tCPV)」キャンペーン設定を開き、目標CPVを現在の平均値から10〜20%引き下げる。急激に半額などに下げると広告配信自体が停止するため、日予算の消化ペースを見ながら段階的に下げる

入札単価やクリエイティブを修正したら、Google 広告の「キャンペーン」画面で平均CPVと視聴回数を3〜7日間観察します。1〜2日程度のデータではオークションの日内変動や曜日の影響を受けるため、最低でも数百回以上の視聴回数が蓄積した段階で次の調整を行います。

CPVを下げることだけを目的にして、誰にでも受ける冒頭に作り変えないようにします。ターゲット外の人に長く見られてCPVが下がっても、その後のCTRやCPAが悪化します。視聴単価の引き下げと同時に、動画視聴後のコンバージョン数も合わせて確認します。

注意点

落とし穴中身
CPVの安さだけで広告を評価する1回あたりの視聴単価が安くても、見込み客でないユーザーに届いていては意味がありません。視聴後のウェブサイト流入や成約数まで追跡します
異なるフォーマットを合算して判断するインストリーム広告とショート広告では視聴の成立基準が違います。キャンペーン全体の合算値ではなく、広告フォーマット単位で単価を評価します
配信初日のデータで焦って入札を変える配信開始直後は機械学習の最適化が進んでいません。数十件の視聴数で判断せず、一定量のデータが集まるまで様子を見ます
スキップ不可の広告でCPVを見ようとする6秒のバンパー広告などはCPM課金であり、CPVは計測されません。課金方式の違いを区別します

一次情報

普遍的な内容なので、定期の見直し対象にしていません。