指標

Margin利益率

売上高のうち、原価や経費を引いた後にどれだけ利益が残ったかを割合で見る指標です。粗利率・営業利益率など、分子にする利益を固定して価格や施策の採算を判断します。

計算式 利益 ÷ 売上高 × 100

30秒で理解

**Margin(利益率)は、売上高のうち利益として残った割合です。**売上高が100万円で利益が20万円なら、利益率は20%です。

ただし「利益」に何を入れたかで数字の名前と意味が変わります。商品そのものの採算を見るなら粗利、販管費まで引いた本業の採算を見るなら営業利益を分子に置きます。画面に「Margin」とだけ表示されている場合は、分子の定義を先に確認してください。

売上高を100円のレシート全体、利益率をそのうち手元に残る割合と考えます。仕入や人件費をどこまで差し引いた残りなのかで、同じ100円でも見える採算が変わります。

計算式と計算例

基本式は「利益 ÷ 売上高 × 100」です。売上高と利益は同じ期間・同じ事業範囲でそろえます。中小機構も、売上高総利益率を「売上総利益÷売上高」、売上高営業利益率を「営業利益÷売上高」で算出しています。

利益の種類式売上高100万円・利益20万円の例何を見られるか
粗利粗利 ÷ 売上高 × 10020%商品・サービス自体の採算
営業利益営業利益 ÷ 売上高 × 10020%販売費・管理費を含む本業の採算
経常利益経常利益 ÷ 売上高 × 10020%本業以外の経常的な損益も含む収益力

例の20万円は利益の種類を変えても同じ金額に置いた計算例です。実際の分析では、粗利・営業利益・経常利益を同じ「Margin」の列に混ぜず、列名に利益の種類を入れます。

なお、販売価格を原価に上乗せする「マークアップ率」と、売上高に占める利益の割合である利益率は別の数字です。Microsoft の価格設定仕様でも、原価に対するマークアップと、販売価格に対して達成したい利益率を別の計算として扱っています。

この数字が表すもの

利益率が表すのは、売上の大きさではなく、売上1円あたりにどれだけ利益が残ったかです。売上高と利益額を一緒に見ると、販売量の増減と採算の変化を分けて読めます。

売上高利益額利益率読み方次に開く場所
増えた増えた上がった売上の増加が費用の増加を上回った商品・顧客別の利益レポート
増えた増えた下がった売れたが、値引き・原価・経費の増加が大きい商品別の原価と値引き
横ばい減った下がった売上が同じでも採算が悪化した損益計算書の費用科目
減った横ばい上がった低採算の売上が減り、残る利益の割合が上がった可能性商品構成と注文数

利益率が上がったからといって、利益額や資金が必ず増えたとは限りません。少数の高採算注文だけで率が上がることもあるため、利益額・売上高・注文数を同じ期間で並べます。

場面によって意味が変わる

「Margin」は単独では分子が曖昧です。目的に合わせて利益の種類と費用の範囲を固定してください。

見たいこと分子に置く利益含める費用の考え方判断に使う場面
商品・サービスの値付け粗利売上原価を差し引く価格、仕入、商品構成の見直し
本業の採算営業利益売上原価と販売費及び一般管理費を差し引く事業・部門・月次の運営判断
会社の通常活動の収益力経常利益営業外収益・費用も含める財務活動を含む会社全体の確認
広告投資の回収利益対象施策にひもづく原価・広告費などを差し引く広告を続けるか、予算を変えるか

粗利率と営業利益率は、同じ売上を分母にしても差し引く費用が違います。粗利率だけを見て広告を増やすと、広告費や人件費を引いた後の本業の採算を見落とします。

「利益率が高い商品」を横並びにする前に、利益の定義をそろえます。税込・税抜、返品・値引き、送料・決済手数料をどこへ入れたかが違う場合、数字の大小だけでは比較できません。

高い・低いときに、次にやること

まず会計ソフトの「損益計算書」または受注システムの利益レポートを開き、対象期間を固定します。そのうえで、率だけでなく利益額も確認します。

判定最初に開く画面画面で確認する列次の操作
利益率が低い損益計算書売上高、売上原価、販管費、営業利益前期間と差が大きい費用科目を1つ開く
粗利率だけ低い商品別の売上・原価レポート販売価格、仕入・製造原価、値引き、返品率が下がった商品を1つ選び、価格と原価を開く
営業利益率だけ低い販管費の明細広告費、人件費、外注費、ツール費増えた科目を月別・部門別に分解する
売上は増えたのに利益率が低い商品・顧客別の利益レポート売上構成、利益額、利益率低率の商品または顧客の構成比を確認する
利益率は高いが利益額が少ない月次の売上・利益推移売上高、利益額、注文数率ではなく利益額が増える商品・施策を開く
広告の採算を見たい広告管理画面と利益レポート広告費、受注売上、原価、利益同じキャンペーン名・期間で2つの表を突き合わせる

判定がついたら、最後に開くのは原因が出た明細画面です。原価が原因なら仕入・製造原価、値引きが原因なら注文の値引き明細、販管費が原因なら費用科目の明細を開き、変更対象を1つに絞ります。次回の損益計算書で、その科目と利益率を同じ期間で再確認します。

注意点

利益率の目標値だけを先に置かないでください。分子に粗利を使うのか営業利益を使うのかが未定のまま目標値を置くと、同じ施策を見ているのに判定が変わります。レポート名に「粗利率」「営業利益率」のように利益の種類を明記します。

落とし穴起きること確認する場所
利益率とマークアップ率を混同する原価に対する上乗せ率を、売上高に対する利益率として読む商品の価格設定・原価マスタ
粗利率を最終利益率として扱う販管費を引く前の数字で黒字と判断する損益計算書の営業利益
全体平均だけを見る低採算の商品や顧客が平均に埋もれる商品別・顧客別の利益レポート
期間や税区分が違う前月比や施策比較がずれる集計期間、税込・税抜設定
利益率だけで判断する少額の売上で率だけ高い施策を選ぶ売上高、利益額、注文数

今日確認するなら、損益計算書を開いて「売上高・売上原価・販管費・営業利益」を同じ期間で表示します。次に利益率が下がった費用科目を1つクリックし、明細の増加分を価格・原価・値引き・経費のどれかに分類してください。

一次情報

普遍的な内容なので、定期の見直し対象にしていません。