指標

ROAS広告費用対効果

広告費1円あたり、計測したコンバージョン価値をいくら生み出したかを見る指標です。広告費に対する売上の戻りを比べ、予算や配信先を見直すときに使います。

計算式 コンバージョン価値 ÷ 広告費 × 100

30秒で理解

ROAS(広告費用対効果)は、広告費1円に対して、計測したコンバージョン価値がいくら戻ったかを見る数字です。売上を広告費だけで割るので、広告配信先やキャンペーン同士の比較に向いています。

たとえばROASが300%なら、広告費1円に対してコンバージョン価値が3円です。ただし、これは利益率や人件費まで差し引いた利益ではありません。利益まで見たいときはROIや粗利を別に確認します。

ROASは、広告費を入れた自動販売機から、売上が何本出てきたかを見るメーターです。売上が3本返ってきても、仕入れや人件費が2本分かかるなら、手元に残る本数は別計算になります。

計算式と計算例

基本式は「コンバージョン価値 ÷ 広告費 × 100」です。Google Adsでは、コンバージョン価値を広告費で割った値が Conv. value / cost として表示されます。

項目値
計測したコンバージョン価値300,000円
広告費100,000円
計算300,000 ÷ 100,000 × 100
ROAS300%

同じ例を倍率で表すと3倍です。「300%」と「3倍」は表記が違うだけで、広告費1円に対する戻りは3円です。レポートを比較するときは、百分率か倍率かをそろえてください。

この数字が表すもの

ROASが表すのは、設定した計測条件のもとで広告費に対して得られたコンバージョン価値の比率です。Google Adsのコンバージョン価値は、購入などの行動に事業上の価値を割り当てて合計したものです。

ROAS読み方次に見るもの
100%未満広告費1円に対する計測価値が1円未満計測値、配信先、広告費の配分
100%広告費と計測価値が同額粗利や固定費を含めた損益
300%広告費1円に対して計測価値3円利益が残るか、追加投資できるか

「高いほど必ず良い」とは限りません。配信を絞って規模が小さくなっている場合や、リピーターの購入を広告の成果として含めている場合もあるため、売上規模と新規顧客の増加を横に置いて読みます。

場面によって意味が変わる

式が同じでも、分子に入れる価値と分母に入れる費用の範囲が違えば、比較できるROASではありません。

比較する場面分子分母比較前にそろえること
キャンペーン別各キャンペーンに帰属したコンバージョン価値各キャンペーンの広告費期間、通貨、コンバージョン設定
月別その期間に計上したコンバージョン価値その期間の広告費クリック日基準かコンバージョン日基準か
媒体別媒体が計上したコンバージョン価値媒体費アトリビューションモデルと重複
事業全体売上や粗利として定義した価値広告費のみ、または販促費全体ROASとして比較する範囲

媒体ごとに同じ購入を重複計上すると、合計ROASが実態より高く見えます。また、Google Adsの主要なコンバージョン列はクリック時点で費用と価値を集計するため、別の分析ツールの計上日やアトリビューションモデルと数字が一致しないことがあります。

高いときに、次にやること

高いROASを見つけたら、すぐに予算を全額移すのではなく、規模と利益を確認します。

順番開く場所操作
1広告管理画面のキャンペーン一覧期間をそろえ、「コンバージョン値」と「費用」を表示する
2キャンペーンのコンバージョン列ROASだけでなくコンバージョン数とコンバージョン価値も確認する
3商品・注文データ返品、キャンセル、割引を反映した売上または粗利と照合する
4予算設定予算上限で配信が止まっていないか、費用を増やしたときの限界利益を確認する

ROASが高く、コンバージョン数も十分で、粗利を引いても余裕があるキャンペーンだけを増額候補にします。増額後は、同じキャンペーン一覧で費用・コンバージョン価値・ROASを同じ期間に並べて確認します。

低いときに、次にやること

ROASが低いときは、広告文だけを直す前に、どの要素が分子を小さくしているかを切り分けます。

順番開く場所判定と操作
1広告管理画面のコンバージョン設定購入など本当に価値を置く行動が「コンバージョン」に含まれているか、値が入力されているかを見る
2キャンペーン一覧の「費用」「コンバージョン数」「コンバージョン値」費用だけ増えているのか、購入数も減っているのかを分ける
3キャンペーンまたは広告グループの検索語・商品別レポート費用が出ているのに購入につながらない検索語や商品を抽出する
4入力フォーム・購入完了ページの計測テストテスト注文を1件行い、コンバージョンと購入価値が記録されるか確認する
5変更履歴予算、入札、計測、商品価格を変えた日とROASの変化日を照合する

計測値が欠けていたら広告の評価を止めて計測を直します。計測が正しく、費用だけ増えているなら、検索語・商品・地域などの内訳を開き、費用が大きくROASの低い単位から配信設定を見直します。

注意点

ROASだけで「儲かった」と判断しないために、次の4点を同じレポートに残します。

ROASは利益率を含まない指標です。粗利率が異なる商品を同じROASだけで比べると、売上は大きいのに利益が少ない商品へ予算を寄せることがあります。

注意点起きること確認する列・データ
売上と利益の混同ROASがプラスでも、仕入れや手数料を引くと赤字になる粗利、手数料、配送費、広告費
コンバージョン価値の未設定購入数は見えてもROASが計算できない、または価値が実態と違うコンバージョン値、購入金額
計測期間のずれクリック時点と購入時点のレポートが一致しないクリック日、コンバージョン日
直近データの早判定クリック後に購入するまでの遅れが数字に反映されていないコンバージョンの遅延、期間

Target ROASを設定する場合も、目標値は事業上の利益条件と過去のROASを並べて決めます。Google Adsのヘルプでは、目標を高くしすぎると広告が参加するオークションやトラフィックを制限する場合があると説明されています。

最後に、広告管理画面のキャンペーン一覧を開き、期間をそろえて「費用」「コンバージョン値」「コンバージョン値 / 費用」「コンバージョン数」を表示してください。ROASの数字だけで判断せず、計測が正しいか、利益が残るか、規模が足りているかを同じ画面から確認できます。

一次情報

普遍的な内容なので、定期の見直し対象にしていません。