30秒で理解
購入頻度は、購入した顧客1人あたりの注文回数です。「たくさん売れたか」ではなく、「同じ顧客が何度戻ってきたか」を見るための指標ですね。
期間をそろえて、注文数をその期間に購入したユニーク顧客数で割ります。顧客ごとの累計注文数を平均する、と考えても同じです。
商店街に来たお客さんが、期間中に何回レジを通ったかの平均です。来店者数だけでは常連の動きが見えません。購入頻度を置くと、新規客を増やした結果なのか、既存客が戻ってきた結果なのかを分けて考えられます。
計算式と計算例
式は 注文数 ÷ 購入したユニーク顧客数 です。ここでいう顧客数は、対象期間中に1回以上購入した人に限定します。
| 期間中の注文数 | 購入したユニーク顧客数 | 購入頻度 |
|---|---|---|
| 240件 | 120人 | 2.0回/人 |
| 240件 | 200人 | 1.2回/人 |
注文数が同じでも、前者は少ない顧客が複数回購入し、後者は一度だけ購入した顧客が多い状態です。分母を「サイト訪問者数」や「全顧客数」にすると、別の指標になります。
この数字が表すもの
購入頻度は、顧客維持の動きを注文回数に置き換えたものです。新規顧客の獲得数だけでは、購入後に戻ってきたかまでは分かりません。
| 購入頻度の変化 | まず考えること |
|---|---|
| 上がった | リピーターの注文が増えた、または一部顧客に購入が集中した可能性 |
| 下がった | 新規顧客の比率が上がった、再購入までの導線が弱くなった可能性 |
| 変わらない | 顧客構成や商品構成が変わっていないかを確認 |
この指標だけで顧客の満足度や利益は断定できません。注文回数が増えても、値引きや返品が増えていれば、売上や利益の見え方は変わります。
場面によって意味が変わる
購入頻度は、集計期間と顧客の切り方で意味が変わります。月次と通算値を同じ数字として比べないでください。
| 集計の切り方 | 読み取れること | 比較時の注意 |
|---|---|---|
| 月次・週次 | 直近の再購入ペース | 季節性や購入サイクルの影響を受ける |
| 初回購入月ごとのコホート | 初回購入後、各期間に注文が続いたか | コホートの経過期間をそろえる |
| 商品・顧客層別 | どの商品や層で注文が繰り返されるか | 商品単価や購入目的が違う層を混ぜない |
| 全期間の顧客平均 | 顧客あたりの累計注文の大きさ | 最近獲得した顧客は観測期間が短い |
Shopifyの顧客レポートでは、初回購入時期ごとのコホートに対して、初回注文後の週・月・四半期単位でリピート注文を確認できます。コホートの経過期間を合わせると、獲得時期の違いを含めて比較できます。
高いときに、次にやること
高いから即座に広告費を増やす、とは決めません。まず、どの顧客・商品・流入元が押し上げているかを分けます。
| 順番 | 開く場所 | 次にする操作 |
|---|---|---|
| 1 | 顧客レポート | 顧客を「注文数」の多い順に並べ、上位顧客だけでなく顧客数も確認する |
| 2 | コホート分析 | 初回購入月を行、経過月を列にして、再購入が続くコホートを特定する |
| 3 | 商品・チャネルの内訳 | 高頻度の顧客が買った商品と、最初に来たマーケティングチャネルを照合する |
| 4 | 顧客セグメント | 注文回数が多い顧客と、1回購入で止まった顧客を分けて保存する |
Shopifyなら管理画面で 「分析」→「レポート」 を開き、カテゴリーを 「顧客管理」 に絞って 「リピーター」 を選びます。高頻度顧客を見つけたら、同じ顧客層に向けた施策の判定に使うため、注文数だけでなく注文あたりの平均支払い額も同じ画面で確認します。
低いときに、次にやること
低いときは、購入後の再接触が弱いとは限りません。新規顧客が急増しただけでも、全体の平均は下がります。
| 判定 | 次に開く場所 | 操作 |
|---|---|---|
| 新規顧客が増えた | 顧客レポート | 「リピーター」と「1回限りの購入客」を分けて、顧客数と注文数を確認する |
| 特定コホートだけ低い | コホート分析 | 初回購入月をそろえ、経過月ごとのリピート注文を確認する |
| 商品ごとの差が大きい | 商品別レポート | 購入間隔の長い商品と短い商品を分け、同じ施策を一括適用しない |
| 計測が怪しい | GA4のイベント | 「管理」→「データの表示」→「イベント」で purchase の受信を確認する |
GA4で購入回数を使った顧客層を作る場合は、purchase イベントを条件にします。まずイベントが購入完了時に送られていることを確認し、その後に購入回数の条件を設定します。
注意点
購入頻度は平均値なので、少数の常連客に引っ張られます。平均だけで施策を評価せず、顧客数の分布やリピーター率と並べて見ます。
注文数と購入者数の定義を、毎回同じにしてください。返品・キャンセルを注文数に含めるか、ゲスト購入を顧客として統合できるか、集計期間をどこで切るかが変わると、購入頻度も動きます。比較表に集計条件を書き残します。
特に次の3つは混同しやすい項目です。
| 指標 | 分母・単位 | 何を見るか |
|---|---|---|
| 購入頻度 | 購入顧客あたりの注文回数 | 1人が何回買ったか |
| リピーター率 | 購入顧客に占めるリピーターの割合 | 2回目以降に進んだ顧客がどれだけいるか |
| 平均注文金額 | 注文あたりの金額 | 1回の注文でいくら使われたか |
今日確認するなら、まず管理画面の顧客レポートで期間を固定し、「リピーター」と「1回限りの購入客」を並べて開きます。そこで差が見えた商品または顧客層を1つだけ選び、次回の購入頻度を同じ条件で比較してください。